借入先のいろいろ
不動産投資では、実際に不動産を購入する際に、ほとんどの方が融資を金融機関から受けると思いますが、融資をしてくれる金融機関にも色々な金融機関があります。
不動産投資において、現実的に利用可能な金融機関は、
都市銀行
地方銀行
信用金庫
国民生活金融公庫
信託銀行
保険会社
信用組合
農協
その他のノンバンク
などがあります。
それぞれの金融機関の特徴を見ていきますと・・・
都市銀行
最も多くの方が利用しているのが銀行ではないのでしょうか。
その中でも都市銀行は、東京や大阪などの大都市に本店を置き、全国展開をしている銀行です。
個人の不動産取得に対する融資には消極的です。
地方銀行
地方銀行とは、地元に本店を置き、地元を中心に展開する銀行です。
どこの都道府県でも最低2行以上あり、全国には117行の地方銀行が存在します(2006年)。
取引対象を地元の企業や個人におき、個人の不動産取得に対する融資には積極的です。ただ、地域密着型であるため、通常は銀行の営業地域内に住所と投資対象の不動産がないと融資を受けることはできません。
信用金庫
限定された一定の地域を営業地域とし、その地域の人から預かった資金を、その地域の人に融資する地域限定の金融機関です。
信用金庫で融資を受ける場合は、その営業地域内に住む、あるいは事務所を構える必要があります。取引業務は銀行と同じですが、地方銀行よりもさらに小口の中小企業、零細企業、個人事業者との取引が主体です。
国民生活金融公庫
一般の金融機関から融資を受けることが困難な中小企業・個人に対する融資、教育ローンや新規事業の開業の支援などを行う政府系金融機関です。
事業性の評価を旨とし、担保が必ずしも必要でないことや、金利が安く固定であることが特徴です。しかし、国民生活金融公庫には、「事業への融資」という考えがあるため、借入期間が短い傾向にあります。
信託銀行・保険会社・信用組合・農協・その他のノンバンク
このような機関からも、不動産の取得に対して融資を受けられる可能性があります。もちろん、取扱っていないところもあるので注意してください。
ノンバンクにも色々ありますが、ノンバンクとは、預金業務を営まず貸付業務を行う金融機関です。当然、金利は銀行より高めになります。
銀行ローン入門
一般的に、不動産投資で資金調達をするとき、圧倒的に多く利用されているのが銀行です。そこで、このページでは、銀行の融資について大まかにご説明します。
まず、銀行は融資の打診をしてきた顧客と、その融資対象の物件について調査し、融資の決定をします。
銀行の利益は金利です。融資した元本の返済と、その元本に対する金利の支払いにより、利益を出しています。しかし、この利益は将来の未確定の利益なので、融資をする際に、顧客の所有物を担保に入れてもらったり、連帯保証人をつけたりして、リスクを抑えようとします。もちろん、その担保の中には購入予定の物件も含まれます。返済ができない状況になると、その物件を競売に流して換金するか、任意売却という方法で清算します。
他に銀行が考えるリスクとしては、個人の属性というものがあります。定職についていない人には返済能力がないと考え、なかなか融資をしてもらえないということがあります。これは、銀行側も、なるべくその不動産を競売や任意売却で処理せずに、債務を全うして欲しいという思惑があるためです。
このように銀行は、人と物を見てリスクを計り、融資をするかしないか、いくら融資するかを決定します。人の返済能力、物の換金力に対するリスクと、金利による利益を計りにかけるのです。
個人の属性
個人の属性とは、銀行が
「融資を受ける人間は信用するに足る人物か?」
を測るために、収入や支出などで個人を分かりやすく分類することです。
銀行が見るポイントは色々ありますが、一貫して個人の財務状態を推理できるような項目を見ます。これらの項目を、銀行は個人を測るための指標として使っているのです。
では、どのような項目を見るかというと・・・
職業
職業の項目で一番重要なのは勤続年数ではないでしょうか。
銀行は職業をコロコロ変える人を、「安定していない」、「信用するに足りない」と考えます。
「他のことは大目に見るが、3年以上勤務していないと無理。」という話はよくあります。
職種では、公務員や、国家資格の中でも比較的収入ランクの高いと思われるような資格をお持ちの方は有利です。不利な職業としては、給与所得のうち、歩合に占める割合が高い営業職や、セールスなどの職業です。もちろん、営業やセールスでも、歩合がなければ不利ではありません。この場合、「給料をいくら貰っているか?」ということはあまり関係ありません。不安定という言葉に銀行は敏感です。
配偶者の有無
配偶者がいない独身者の場合は、審査においては不利な条件になります。逆に、配偶者がいる場合は有利です。配偶者が仕事をしていなくても、潜在的な労働力は2人分と銀行は考えます。
子供の数
最も有利なのは、子供がいない場合です。最も不利なのは、子供が多い場合です。先ほどの配偶者の場合は、潜在的労働力があるという観点から、審査においてはプラス面ですが、子供の場合は潜在的労働力がありません。
借金の有無
これから借入れをしようとするのに、すでに借入れがある場合、その借入れにより不動産収入などが発生している場合を除き、不利になります。
つまり、消費や所有に借入れの枠を使っているため、投資に対する借入れができない場合があるということです。ですので、住宅ローンなどがある場合などはマイナス要因です。高級車や船舶の購入のためのローンもまた然りです。
これらの項目から分かることがあります。
銀行は、「その不動産投資がうまくいかなかったとき、この債務者の給料から持ち出して、穴埋めができるかな?」と心配しているのです。ですので、銀行に持ち込んだ不動産投資の案件が他に類を見ない素晴らしいものである場合、これらの項目に一切関係なく、しかもノンリコースローンではないにも関わらず、頭金なしの全額ローンでの融資をしてくれる場合もあります。普通はありえませんが・・・。
もう1つ。
これらの項目は、不動産投資を始めた初期の段階の話です。不動産投資の規模にもよりますが、2つ目、3つ目の案件以降はこれらの項目は一切関係ありません。逆に、これまでの不動産投資の成績が問われることになります。
物件の担保価値
銀行は、これから購入しようとする不動産の担保価値を、融資の可能額の考えに入れてくれます。考えてみれば当たり前のことですが、もともと担保とは人質ならぬ物質であるわけですから、その分のお金も貸してもらえます。
そこで銀行は、融資の打診があった対象不動産について、担保価値の査定をしなければいけません。
以降では、銀行の担保価値の査定基準についてご説明します。
土地の担保価値
ほとんどの銀行では、路線価を基準に土地の担保価値を求めます。
路線価とは、道路1本ごとに決められた、いわば道路の値段から求めるその道路に接している土地の価格です(路線価は、国税庁のホームページの財産評価基準書で閲覧できます)。
銀行は多くの場合、こうして求めた路線価による土地の評価額の7割程度を、その土地の担保価値としています。
建物の担保価値
建物の担保価値の求め方は、各銀行によって違いがあります。
再調達原価からこの価格に建物が古くなったことによる減価修正をした積算価格(試算価格)で評価する銀行や、固定資産税評価額相当額で評価する銀行、独自の理論や計算式で評価する銀行など様々です。しかし、どの銀行の評価基準で担保価値を求めても、ほぼ時価の7〜8割程度の担保価値となります。
これに土地の担保価値も一緒に考えると、普通に買って普通に融資の打診をすれば、頭金は2〜3割程度必要だということになります。
ローン金利入門
借入れをすると、必ず金利がついてきます。これは金融機関が儲ける部分です。
「お金を貸してあげるから、多めに返してください。」ということです。
金利は低い方がローン利用者にとって嬉しいことです。
「残金に対して何%のお金を元本返済以外に支払うのか?」が金利の%です。
例えば、年利2%で1800万円借りた場合の金利の計算は、
![]()
この0.02の金利は年利ですから、もし年間支払い回数が1回だけなら、
(元金返済+36万円)がこの年の返済額となります。
でも普通は毎月返済です。もし仮に毎月の元金返済額が100万円とすると、
1ヶ月目=1800万円(残金)×0.02(金利)÷12(ヶ月)=3万円
2ヶ月目=1700万円(残金)×0.02(金利)÷12(ヶ月)=2.8333万円
3ヶ月目=1600万円(残金)×0.02(金利)÷12(ヶ月)=2.6666万円
となります。元金も含めた返済額は、
1ヶ月目の返済額=103万円
2ヶ月目の返済額=102.8333万円
3ヶ月目の返済額=102.6666万円
です。
分かりやすくするために、元金均等返済の計算を使いました。他にも返済方法はありますが、金利の考え方は、基本的にはこういうことです。
金利の種類
金利には大きく分けて2種類あります。
固定金利
固定金利とは、金利を一定期間固定にするものです。
金利変動のリスクがないため、変動金利よりも金利が高く設定されています。固定金利にも色々あり、
全期間固定金利
期間限定の固定金利
固定・変動切り替え型
など様々です。
金融機関によっては取り扱っていない場合があるので注意が必要です。
変動金利
変動金利とは、金利の動きが反映され、支払う金利の割合が変動するものです。
年間2回金利が見直され、それを受けて数年に1回の割合で支払額が変動します。金利が下がる場合は限度なく下がりますが、金利が上がる場合は「返済額の増額は、それまでの返済額の25%以内」という規定内に収まります。しかし、それ以上に金利が上がっていた場合は、未払い利息が発生することになり、後で支払うことになります。
返済方法の種類
金融機関が不動産投資に対して融資してくれるローンには2種類の返済方法があります。
元金均等返済
元金均等返済とは、元金返済と利息返済のうち、毎回の元金返済が同じ返済方法です。金利は残金に対してかかるので、最初は毎月の返済額が大きく、徐々に毎月の返済額は減っていきます。
例えば、1800万円を年利2%で借りた場合、最初の月の返済金利額は、
![]()
となり、(元金返済額+3万円)が最初の月の返済額です。
返済が進んで、残金が900万円になった時点の返済額は、
![]()
となり、(元金返済+1.5万円)がこの月の返済額です。
このように元金均等返済は、元金に対する返済は一定で、支払い金利は毎月違うという返済方法です。金融機関によっては取り扱っていない場合があるので注意が必要です。
元利金等返済
元利金等返済とは、毎月の返済額(元金返済+利息返済)が毎回同じの返済方法です。
毎回返済する額は同じですが、その内容が毎月違います。
最初は金利返済割合が多く、元金返済に占める割合が少ないので、なかなか元金が減っていきません。返済が進むにつれて、元金返済が加速していき、その分金利返済の割合が減少していきます。
最終的な返済額は、元利金等返済の方が少し多くなります。こちらの返済方法の方が一般的で、恐らくどの金融機関でも扱っています。
ノンリコースローンとは?
通常、金融機関から不動産取得についての融資を受ける際、銀行は人の信用力と担保の換金力について評価し、融資を行っています。しかし、一部の銀行や信託銀行では、購入予定の不動産の収益力のみを評価し、融資を行う場合があります。
これをノンリコースローンといいます。
従来の銀行が行う積算価格での融資の場合、どうしても2〜3割の頭金が必要でした。案件や銀行によると、4割を要求してくる場合もあります。
これに対し、ノンリコースローンでは、購入予定の物件が、銀行が融資をするに足る物件だと判断した場合、全額融資も可能となります。自己資金があまり用意できない方にはうれしい融資制度です。しかし、当然金利は若干高めになります。
また、ノンリコースロンは、万が一返済できなくなった場合、通常の融資と異なり、担保設定した物件以外に借入金の返済は発生しません。つまり、担保にした物件で債務の全てをカバーできない場合でも、それ以上に返済する必要がありません。
ただし、ノンリコースローンは、数年間という短い借入期間しかないのが普通です。期間満了時には一括返済か、借換えの必要があるので注意が必要です。満期時にどういった借換えができるかが、重要な鍵となります。
とはいえ、やはりそこは非遡及型(それ以上に返済する必要がない)のローンなので、リスクは最小限といえるでしょう。