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不動産投資では、実際に不動産を購入する際に、ほとんどの方が融資を金融機関から受けると思いますが、融資をしてくれる金融機関にも色々な金融機関があります。
不動産投資において、現実的に利用可能な金融機関は、
- 都市銀行
- 地方銀行
- 信用金庫
- 国民生活金融公庫
- 信託銀行
- 保険会社
- 信用組合
- 農協
- その他のノンバンク
などがあります。
それぞれの金融機関の特徴を見ていきますと・・・
都市銀行
最も多くの方が融資の際に利用しているのが銀行ではないのでしょうか。その中でも都市銀行は、東京や大阪などの大都市に本店を置き、全国展開をしている銀行です。
個人の不動産取得に対する融資には消極的です。
地方銀行
地方銀行とは、地元に本店を置き、その地域を中心に展開する銀行です。
どこの都道府県でも最低2行以上あり、全国には100行を超える地方銀行が存在します。
取引対象を地元の企業や個人におき、個人の不動産取得に対する融資には積極的です。ただ、地域密着型であるため、通常は銀行の営業地域内に住所と投資対象の不動産がないと融資を受けることはできません。
信用金庫
限定された一定の地域を営業地域とし、その地域の人から預かった資金をその地域の人に融資する、地域限定の金融機関です。
信用金庫で融資を受ける場合は、その営業地域内に住む、あるいは事務所を構える必要があります。取引業務は銀行と同じですが、地方銀行よりもさらに小口の中小企業、零細企業、個人事業者との取引が主体です。
国民生活金融公庫
一般の金融機関から融資を受けることが困難な中小企業・個人に対する融資、教育ローンや新規事業の開業の支援などを行う政府系金融機関です。
事業性の評価を旨とし、担保が必ずしも必要でないことや、金利が安く固定であることが特徴です。しかし国民生活金融公庫には、「事業への融資」という考えがあるため、借入期間が短い傾向にあります。
信託銀行・保険会社・信用組合・農協・その他のノンバンク
このような機関からも不動産の取得に対して融資を受けられる可能性があります。もちろん、取扱っていないところもあるので注意してください。
ノンバンクにも色々ありますが、ノンバンクとは、預金業務を営まず貸付業務を行う金融機関です。当然、金利は銀行より高めになります。
銀行ローン入門
一般的に不動産投資で資金調達をするとき、圧倒的に多く利用されているのが銀行です。
そこでこのページでは、銀行の融資について大まかにご説明します。
まず銀行は、融資の打診をしてきた顧客と、その融資対象の物件について調査し、融資の決定をします。
銀行の利益は金利です。融資した元本の返済と、その元本に対する金利の支払いにより、利益を出しています。
しかし、この利益は将来の未確定の利益なので、融資をする際に顧客の所有物を担保に入れてもらったり、連帯保証人をつけたりして、リスクを抑えようとします。もちろん、その担保の中には購入予定の物件も含まれます。
返済ができない状況になると、その物件を競売に流して換金するか、任意売却という方法で清算します。
銀行が融資の際にリスクを考えるのは当たり前で、融資を受ける個人の「属性」を考慮に入れ、融資をするかしないかの決定材料にすることがあります。
属性とはその人の職業や家族構成などで、例えば、定職についていない人には返済能力がないと考え、なかなか融資をしてもらえないということがあります。
これは銀行側も、なるべくその不動産を競売や任意売却で処理せずに、債務を全うして欲しいという思惑があるためです。
このように銀行は、人と物を見てリスクを計り、融資をするかしないか、いくら融資するかを決定します。
人の返済能力、物の換金力に対するリスクと、金利による利益を計りにかけるのです。
個人の属性
個人の属性とは、銀行が
「融資を受ける人間は信用するに足る人物か?」
を測るために、収入や支出などで個人を分かりやすく分類することです。
銀行が見るポイントは色々ありますが、一貫して個人の財務状態を推理できるような項目を見ます。これらの項目を、銀行は個人を測るための指標として使っているのです。
では、どのような項目を見るかというと・・・
職業
職業の項目で一番重要なのは勤続年数ではないでしょうか。
銀行は職業をコロコロ変える人を、安定していない、信用するに足りない。と考えます。
「他のことは大目に見るが、3年以上勤務していないと無理」
という話はよくあります。
職種では公務員や、国家資格の中でも比較的収入の高いと思われるような資格をお持ちの方は有利です。
不利な職業としては、給与所得のうち歩合に占める割合が高い営業職や、セールスなどの職業です。もちろん、営業やセールスでも、歩合がなければ不利ではありません。
この場合「給料をいくら貰っているか?」ということはあまり関係ありません。不安定という言葉に銀行は敏感です。
配偶者の有無
配偶者がいない独身者の場合は、審査においては不利な条件になります。逆に、配偶者がいる場合は有利です。
配偶者が仕事をしていなくても、潜在的な労働力は2人分と銀行は考えます。
子供の数
最も有利なのは子供がいない場合です。最も不利なのは子供が多い場合です。
先ほどの配偶者の場合は、潜在的労働力があるという観点から、審査においてはプラス面ですが、子供の場合は潜在的労働力がありません。
借金の有無
これから借入れをしようとするのに、すでに借入れがある場合、その借入れにより不動産収入などが発生している場合を除き、不利になります。
つまり、消費や所有に借入れの枠を使っているため、投資に対する借入れができない場合があるということです。ですので、住宅ローンなどがある場合などはマイナス要因です。高級車や船舶の購入のためのローンもまた然りです。
これらの項目から分かることがあります。銀行は
「その不動産投資がうまくいかなかったとき、この債務者の給料から持ち出して、穴埋めができるかな?」
と心配しているのです。
ですので、銀行に持ち込んだ不動産投資の案件が他に類を見ない素晴らしいものである場合、これらの項目に一切関係なく、しかもノンリコースローンではないにも関わらず、頭金なしの全額ローンでの融資をしてくれる場合もあります。普通はありえませんが・・・。
それからもう1つ。
これらの項目は、不動産投資を始めた初期の段階の話です。
不動産投資の規模にもよりますが、2つ目、3つ目の案件以降はこれらの項目は一切関係ありません。
逆に、これまでの不動産投資の成績が問われることになります。
物件の担保価値
銀行は、これから購入しようとする不動産の担保価値を、融資の可能額の考えに入れてくれます。
考えてみれば当たり前のことですが、もともと担保とは「人質」ならぬ「物質」であるわけですから、その分も考慮してもらえます。
そこで銀行は、融資の打診があった対象不動産について、担保価値の査定をしなければいけません。
以降では、銀行の担保価値の査定基準についてご説明します。
土地の担保価値
ほとんどの銀行では、路線価を基準に土地の担保価値を求めます。
路線価とは、道路1本ごとに決められた、いわば「道路の値段」から求めるその道路に接している土地の価格です(路線価は、国税庁のホームページの財産評価基準書で閲覧できます)
銀行は多くの場合、こうして求めた路線価による土地の評価額の7割程度を、その土地の担保価値としています。
建物の担保価値
建物の担保価値の求め方は、各銀行によって違いがあります。
再調達原価からこの価格に建物が古くなったことによる減価修正をした積算価格(試算価格)で評価する銀行や、固定資産税評価額相当額で評価する銀行、独自の理論や計算式で評価する銀行など様々です。
しかし、どの銀行の評価基準で担保価値を求めても、ほぼ時価の7〜8割程度の担保価値となります。
これに土地の担保価値も一緒に考えると、普通に買って普通に融資の打診をすれば、頭金は2〜3割程度必要だということになります。