建物の構造
不動産投資において、建物の構造を詳しく、あるいは専門的に理解する必要はないと思います。
「どういう造りなのか?」
ということが分かれば大丈夫です。
しかし、この構造・・・。 非常に重要です!
それは、
構造によって法定耐用年数が違い、
法定耐用年数によって減価償却費が違って、
減価償却費によってその不動産投資のキャッシュフローが違います。
詳しくは後ほど・・・。
ここでは建物の造りについて、一通り簡単にご説明します。
RC造(鉄筋コンクリート造)
鉄筋コンクリート造とは、鉄筋を縦横に立体的に組んでいき、そのまわりを型枠で囲い、コンクリートを流し込んで造られる構造です。
現在、ほとんどのマンションがこのRC造です。通常は、10階建てまではこのRC造で造られますが、最近では10階を超えるマンションもRC造の場合があります。
RC=Reinforced Concrete
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)
鉄骨鉄筋コンクリート造とは、鉄筋コンクリート造の梁の中にH型等の形状の鉄骨が入っている構造です。
鉄筋コンクリート造に比べ、さらに鉄骨が入ることにより強度が増します。この工法のデメリットは、コストが多くかかることと、工期が長くなることです。通常は、11階建て以上の高層マンションに採用されることが多いようです。
SRC=Steel Reinforced Concrete
S造(鉄骨造)
鉄骨造とは、鉄骨で主梁を組み立てる構造です。
鉄筋コンクリート造に比べ、コストがかからないというメリットがありますが、耐火性と耐久性に劣るため、マンションの構造に採用されることはあまりありません。倉庫や工場などには、このS造が多く採用されています。
S=Steel
B造(ブロック造)・CB造(コンクリートブロック造)
ブロック造は、耐火性・防錆性・断熱性・遮音性に優れていますが、引張性に劣るため、大規模な建築物には向いていません。
CB=Concrete Block
W造(木造)
最もコストがかからないというメリットがありますが、耐震性・耐火性・防錆性・耐久性に劣ります。
W=Wood
他にも、CFT造、RCB造、RS造など色々ありますが、覚える必要はありません。
床厚と壁厚
マンションでの生活には、音の問題が入居者の住み心地に大きく影響します。
十分な遮音性能が確保されていないと、住み心地に満足できず、入居者が出ていきやすくなります。
これについては、主に床厚と壁厚の両方を調べる必要があります。
床厚
住宅金融公庫が融資の際に基準にする床厚が150mmですが、これは最低限ということです。少なくとも180mmは欲しいところです。
ただ、一定の厚さがあっても、コンクリートに直貼りした床だと、音も伝わりやすくなります。コンクリートと床の間にクッションを敷くなどの構造であれば、遮音性は高まります。
壁厚
床厚に比べると、若干薄い傾向にありますが、年々壁の厚さの平均値は増加トレンドにあります。
こちらは150mmあれば大丈夫でしょう。
音に対する感じ方は、当然ながら人によって違います。周りの音を全く気にしない人から、少しの音で眠りを妨げられる人まで様々なので、床厚や壁厚について基準はあるものの、絶対ではありません。
周辺環境調査
不動産投資をするときには、物件を見るだけではなく、周辺環境も必ず見るようにしましょう。周辺環境もろくにチェックせずに買って、痛い目を見るというのはよくあることです。
では、実際にどんなところを見ればいいかというと・・・
駅まで徒歩○分
実際に確認しなければいけないことの代表が、この「駅まで徒歩○分」というやつです。
広告表示では80mを1分として表示しています。確かに人は1分で80mくらい歩きますが、これは坂道や信号・踏切などの待ち時間を考えに入れていません。実際に駅まで歩いてみることをお勧めします。
すると、実際には使われていない方の改札口からの表示時間だったということもあります。
道路・鉄道などによる振動・騒音
建物が幹線道路沿いにある場合は、騒音により住居環境が悪い可能性があるので注意が必要です。鉄道が近くを通っている場合も、同じように注意が必要です。
日当たり
近所に日当たりが悪くなるような建物がないかチェックしましょう。
南側のすぐそばに高層マンションやビルなど、背の高い建物がある場合は最悪です。
近隣建物から臭気・騒音
近隣建物から臭気が漂ってこないかチェックする必要があります。特に隣の建物が工業系の建物・飲食店・ゴミ処理施設などの場合は気をつけましょう。
近隣建物からの騒音についても考えてください。夜に人が集まりやすい建物がないかチェックしましょう。
近隣建物からの騒音問題で一番多いのが、病院と警察です。この2つは頻繁に特殊車両が出入りするので、隣にあるとうるさくて眠りを妨げられることも・・・。
特殊団体の施設・お墓・火葬場が隣または近所にある
これらも入居者が嫌がる要素の1つと考えられます。これらが近所にある場合は、注意が必要です。
浸水履歴
明らかに周りより高い場所に建物がある場合は必要のないことですが、平地に建物がある場合は、一応、過去の浸水履歴を調べておきましょう。
調べ方としては、まず市区町村役場で確認するという方法があります。その町の過去の浸水被害状況の記録を保管している災害対策課のような課が、どこの自治体にもあるので、過去の記録を閲覧しましょう。
他には、近隣住民に直接聞くという方法があります。古くからその土地に住んでいる方なら、過去どのくらいの頻度で浸水が起こっているかよく知っているはずです。直接聞く際には、ついでに他にも有力情報がないか聞いてください。良いニュースか悪いニュースかは別として、掘り出し情報に出会えることもあります。
もう1つは、近隣地域の1戸建ての建物を観察することです。このときに見る箇所は、基礎(建物の土台)部分です。周りの建物に高基礎の建物が多く見られる場合は、浸水の被害から逃れるために、基礎を高くしていると考えられます。
夜の環境
昼間見てよい立地・良い物件だったとしても、夜になるとそうではなくなるかもしれません。夜には周辺の環境がどうなるのか確認しましょう。
最寄り駅からマンションまでの間に、街灯が全くない場所があるかもしれません。こういう場合、女性は特に嫌がります。
また、平日と土日、両方見るのも良いでしょう。
都市計画
現在、その物件の周辺環境が良いからといって、今後もその状況が続くかどうかは分かりません。閑静な住宅環境が変わってしまう可能性があります。
その地域の環境が将来どのようになるかについては、その地域の都市計画である程度予想できます。
都市計画の確認方法は、その地域の市区町村役場の都市計画課で、都市計画図を入手することで確認できます。都市計画図を見ると、用途地域や道路計画など、今後の都市全体の計画が分かります。
既存不適格物件とは?
既存不適格物件とは、建築当時は合法的に建築された物件で、その後の法改正などにより、現行の法律や規制に適合できなくなった物件のことです。
「建築当時は合法的に建築された」ということなので、その建物を使用・収益する間は全く問題ありません。しかし、建て替えをするといった場合に建て替えできなかったり、以前のような建築物を建築できないという問題が起こります。
再建築不可
建物のサイズ・用途の制限が増える
という問題は、投資対象としてはかなりのマイナス要因です。このような物件には手を出さないことをお勧めします。
これらの事例は、様々なパターンがありますが、その中でも代表的な例を挙げますと・・・
接道義務違反(セットバックに関して)
接道義務とは、
「建築物の敷地は、原則として建築基準法上の道路に2m以上接しなければならない」
というものです。もし建物の敷地が接道義務に違反している場合は、原則として敷地に建物を建築することはできません。
接道義務で最もやっかいなのが、2項道路と呼ばれる道路に接する場合です。
接道義務の説明で、「建築基準法上の道路」とありましたが、建築基準法上の道路とは、幅が4m以上の道路のことです。つまり4mに満たない道路は、建築基準法上では道路と認められません。しかし、建築基準法が適用される前から、その道路に沿って建物が建ち並び、また、道路として使用されているもので、特定行政庁が指定したものを、4mに満たない道路であっても建築基準法上の道路と認めています。
これを、建築基準法第42条第2項に規定されていることから、2項道路またはみなし道路と呼ばれます。
その2項道路においては、今後の建て替えの際に、最低でも道路の中心線から両側に2mづつ後退した線に沿って建物を建築しなければいけません。
なお、道路の片側に崖や河川などがある場合は、崖や河川などから4m後退した線を道路の境界線とします。


容積率・建蔽率オーバー
容積率とは、敷地面積に対する建物の各階の床面積の合計の割合です。
建蔽率とは、敷地面積に対する1階部分の面積の割合です。
容積率や建蔽率の割合は、地域ごとによって決められていますが、規定の割合を超えた建物も実際にはあります。例えば、建築当時は規定の割合に納まっていた建物でも、後に敷地の一部を分割して他人に売った場合などは、建物自体は何も変わらず、土地の面積が減るので、容積率や建蔽率の割合が変わります。
他には、その建物がある地域の用途地域の種類が変更になったり、容積率や建蔽率の規定の割合が変わったなどがあります。
市街化調整区域内の建物
アパートやマンションが建っている場所は、大抵の場合、都市計画区域内にあたります。その都市計画区域内は、通常、市街化区域と市街化調整区域に分けられていますが、市街化区域がどんどん市街化を進めていく区域なのに対し、市街化調整区域は、市街化を抑制する区域です。
建物が市街化調整区域にある場合は、建て替えができませんので注意が必要です。
いちばん注意したい物件条件
建築基準法では、建物に関する耐震基準というものが決められています。
耐震強度偽装問題で大騒ぎとなりましたが、現在施行されている耐震基準は、1981年(昭和56年)6月1日に旧耐震基準から改正された耐震基準です。
当然、現在の耐震基準の方が厳しい基準となっています。
阪神・淡路大震災でも、新耐震基準によって建てられた建物の被害が最小限に抑えられたのとは対照的に、耐震基準改正前に建てられた建物は大きな被害を受けています。
もうお分かりでしょう。
1981年以前の物件は耐震面での不安が大きい建物が非常に多いということです。
1981年以前というと、年数が経過していて安価で手に入りやすいものですが、いくら安いからといって不安要素があまりにも大きいのも問題です。
なるべく1981年以前の物件には投資しないようお勧めします。